
職場にいるいつも不機嫌な人と毎日顔を合わせるのがつらい…本当によくわかります。
職場には必ずといっていいほど、いつも不機嫌な上司や社員がいて、こちらは何も悪いことをしていないのに圧を感じてしまうことがあります。
話しかければ刺々しい返答、報告しようとすればため息。
ただ近くに座っているだけで空気が張りつめて、必要以上に神経がすり減る…
そんな日が続けば「この環境で働き続けるべきか」「限界かもしれない」と思うのも当然です。
まず最初に伝えたいのは、あなたはまったく悪くないということです。
不機嫌な態度を職場で繰り返す側に問題があります。
この記事では、
こうした内容を、私自身の20年の総務経験を交えながら解説し、あなたの負担を軽くすることをお伝えします。
不機嫌な上司・社員はなぜ生まれるのか
“フキハラ”という言葉が話題になっているように、不機嫌な態度は職場の空気を壊す強いストレス要因です。
ただし、原因は本人の性格だけとは限りません。
本人にそのつもりがないのに「不機嫌にみられてしまう」ケースもあります。
ここでは、なぜ不機嫌な上司や社員が生まれ、周囲が圧を感じてしまうのかを整理します。
本人の気分や感情のコントロール不足
感情を上手に扱えない人は、一定数存在します。
仕事のストレス、家庭の問題、プレッシャーなどが重なると、どうしても表情や態度に出やすくなります。
ただし、会社にいる以上、周りを気にせず素の表情でずっといることは許されません。
周囲が不安を感じる態度は、れっきとした問題行動です。
また、感情コントロールができない人は自覚が薄いことが多く「気をつけてください」と言われても改善が進みません。
これが職場のストレス源となります。
真剣な表情が“不機嫌”と勘違いされている
耳が痛いかもしれませんが、総務歴20年の現場感覚でいうと、受け手側の勘違いで不機嫌と思い込むこともあります。
真面目な人ほど上司の表情を読みすぎてしまい「怒っている?」「機嫌悪い?」と必要以上に気にしてしまう傾向があります。
実際は、
ということも多いのです。
もしかすると、あなた自身も集中しているときに、不機嫌と思われているかもしれません。
それほど、表情の受け取り方は人によって大きく違います。
年齢とともに表情が硬く見える
人は年齢とともに表情筋が落ち、無意識のうちに口角が下がります。
生活リズムや家庭環境の変化でも、顔つきや声のトーンは変わるもの。
実際、「最近なぜか怖いと言われる」と悩む管理職は多いです。
また40代の上司の多くは、子どもの思春期・介護・家庭の問題などが重なり、表情がさらに硬く見える時期でもあります。
本人は悪気がないのに、周りから「不機嫌」と認識されてしまう典型例です。
“相手を選んで不機嫌になる”人もいる
厄介なのはこのタイプです。総務の現場でもよく見ます。
こうした“態度を使い分ける人”は、明らかに問題行動であり改善が必要です。
この状況を放置すると、
といった悪影響が広がり、離職や採用難にもつながります。
わざと不機嫌な表情を作っている
このタイプも、なかなか厄介な存在です。
人と話をしたくない、自分に絡んでほしくない、こうしたとき、わざと不機嫌な表情をつくり、周りの人を寄せ付けない空気を発生させる人がいます。
実は、私自身も仕事に集中してパソコンに向かっているとき、周りから「不機嫌ですね」と言われることがあります。
まったく不機嫌ではなく、ただ集中しているだけなのですが、そこである実験をしてみたことがあります。
それは、「集中しているだけの時間」と「集中していないのに、あえて不機嫌そうな表情と空気を前面に出した時間」で、周りの反応がどれだけ変わるのかというものです。
結果は明確でした。
つまり、「不機嫌な空気」は意外なほど簡単につくれて、そして周りには驚くほど簡単に伝わってしまうということです。
社内にいる“いつも不機嫌そうにしている上司や社員”の中には、実はわざと不機嫌になり、「俺に話しかけるな」という無言の圧力を放っている人もいるのです。
不機嫌な上司や社員の「放置」が招く職場の悪影響
不機嫌な態度は、周囲に想像以上の悪影響を与えます。総務としては「放置は絶対にNG」です。
圧のある空気に飛び込んでいくことは、とても苦痛であり、大きなストレスにつながります。
特に、日々密に関わる社員がいつも不機嫌な状態だと、逃げ場のない職場になってしまいます。
ここでは、このような不機嫌な上司や社員を放置することで職場にどのような悪影響が生じるのかを解説していきます。
コミュニケーションが極端に減る
話しかけづらい相手がいると、人は必要最低限しかコミュニケーションを取らなくなります。
その結果、報告・相談・確認が減り、ミスやトラブルが増える土壌が整ってしまいます。
また、コミュニケーション不足は場の活気の低下にも直結します。
会話が少なくなり、お互いの考えを理解する機会が減ることで、逆に憶測や誤解が増え、関係性に悪影響を及ぼします。
こうした不全な空気は、本来は問題のある本人だけの話ですが、周囲の社員にも波及するリスクがあります。
社員のストレスと離職につながる
毎日圧を受け続ければ、心は確実に削られます。
これは不機嫌な人と対面している瞬間だけではありません。
朝起きて会社に向かう最中から、気持ちは重くなっていくものです。
こうした気持ちが蓄積すると、次第に「会社を辞めたい」という思いへと変わり、実際に退職につながるケースもあります。
特に“無言の圧”は外から見えないため、会社が問題に気づきにくいことが最大の危険です。
退職願が出て初めて「相当ストレスだったんだな…」と周囲が理解するパターンは珍しくありません。
周囲の生産性が落ちる
不機嫌な人が一人いるだけで、その場の集中力は大きく下がります。
こうした余計な意識が働くことで、社員は目の前の業務に集中できなくなります。
さらに心理的安全性が損なわれるため、意見が出にくくなり、アイデアも生まれません。
常にプレッシャーを感じる環境では、心も脳も休まらず、疲労は蓄積する一方。
結果として、部署全体の成果が落ちることも十分に起こり得ます。
総務の“相談窓口疲れ”を招く
不機嫌な社員の影響で、総務に相談が集中し、対応が追いつかなくなるケースも多いです。
相談を受けるだけでも、総務担当者の心は確実に消耗していきます。
私自身も同じ経験がありますが、現場から「仕事がしづらい」と相談を受けても、すぐに動けないことがほとんどでした。
理由は、
といった、さまざまな配慮が必要だからです。
相談を受けながらも即対応できないジレンマは、総務の大きなストレス要因であり、“相談窓口疲れ”を引き起こす原因にもなります。
不機嫌な上司・社員とうまく付き合う方法
ここが読者の最大の関心ポイントでしょう。
総務としての経験から、「現場で本当に使える対処法」をお伝えします。
できること、できないことは人それぞれですが、自分に無理のない範囲で取り入れられるヒントを見つけてもらえたら幸いです。
不機嫌=無表情なら、あなたも“無表情”で接する
これは総務の現場でもよく使われる、非常に効果的な方法です。
不機嫌に反応すると、相手の態度に巻き込まれ、あなたの心だけが疲れてしまいます。
しかし、あえて表情や感情を排除して「淡々としたやり取り」を徹底すると、心理的な距離が保たれ、必要以上に影響を受けなくなります。
ここで大切なのは、
相手は“会社だけの付き合いの人”であり、基本的には他人である
という意識です。
不機嫌に見える社員や上司には、仕事の話だけをシンプルに伝えれば十分。
そこに感情や気遣いを混ぜる必要はありません。
むしろ、相手もそのように淡々と話してくれる方が楽だったりするケースもあります。
過剰に意識せず、「淡々と話す」ことを意識するだけで精神的ストレスは軽減されます。
「一定距離を保つ」という選択も有効
不機嫌な人に対して、必ずしも密接に関わる必要はありません。
場合によっては、心理的・物理的に一定の距離を保つことも有効な対処法です。
私が総務部長をしていたときも、特定の社員や上司には必要なやり取りだけに留めるようにしていました。
こうすることで、相手の不機嫌に巻き込まれずに業務を進めることができました。
もちろん、距離を置くことが“避ける”ことではなく、あくまで効率的にストレスを減らすための工夫であることがポイントです。
この方法は特に、わざと不機嫌を作り圧をかけるタイプの社員に効果的です。
距離を保つことで、無駄な衝突や心の消耗を避けつつ、必要な業務は滞りなく進められます。
時には距離を置くことも、自分自身を守り、職場全体の安定を保つための賢い選択なのです。
言葉遣いがきつい場合は“即報告”
表情が不機嫌なだけでなく、口調まできつい場合は、状況はさらに深刻です。
総務の視点で言えば、このレベルの問題を一人で抱え込む必要はまったくありません。
早い段階で、上長または経営層へ報告してください。
ハラスメント関連の問題は、現場だけで解決しようとしても限界があります。
立場が上の人間が正式に介入しなければ改善しないケースが圧倒的に多く、
特に「問題社員が原因で離職者が出る」ことは、経営層が最も避けたい事態です。
報告するときに大切なポイント
報告のコツは、状況を客観的に整理し、会社として無視できない問題であることを伝えることです。
誇張する必要はありませんが、事実をわかりやすく“適切に強調”すると経営側は動きやすくなります。
次のような伝え方は非常に効果的です。
「あの上司の口調がきつく、私だけでなく周囲の社員も萎縮しています。最近は“辞めようか”という声も出ていて、業務への影響も大きいと感じています。」
「業務報告をしても怒られているように感じ、報告をためらう社員が増えて後手に回ってしまっています。」
さらに、以下の補足情報を添えると説得力が増します。
こうした整理された情報は、主観ではなく「現場の事実」として受け止められ、意思決定の材料になります。
総務が淡々と状況を可視化するだけで、経営側の動きが大きく変わることはよくあります。
不機嫌な上司・社員の問題は、感情的に捉えるほど出口が見えなくなります。
“会社全体への影響”という視点へ切り替えることで、あなた自身の負担も軽くなり、解決への道筋がぐっと明確になります。
話しかけるタイミングを変える
不機嫌な人でも、必ず“機嫌の波”があります。
例えば、
など、誰にでもタイミングによる変動があります。この波を把握するだけで、不要なストレスを避けることができます。
私が総務部長をしていたときも、社長の行動の癖を知っていたため、
というルールを自分の中で決めていました。
社長はスケジュールの確認などで集中したい時間帯があり、「話かけられたくない」空気を自然に出していたのです。
もし何も考えずに話を持ちかけると、
という状況になり、双方にとって良い印象が残りません。
ちょっとした配慮やタイミングの工夫で、圧を感じずに業務を進めることができるのです。
相手の“緩む瞬間”を見つける
不機嫌な人でも、誰にでもリラックスする瞬間があります。
例えば、
こうした一瞬の“緩むタイミング”を見つけることで、圧を感じずにコミュニケーションをとることができます。
私が総務部長をしていたときも、よく観察していました。
たとえば、昼食後の休憩時間は社長が少し笑顔になることが多く、そのときに軽く業務報告や相談をすると、普段より柔らかい反応を得られました。
その他にも、大口の契約が取れたときや、トラブルが解決できたときなど、その瞬間を見逃さないことも話がしやすいタイミングでしたね。
大切なのは、相手の心理的な“壁”が下がっている瞬間を狙うこと。
このタイミングを活用すれば、報告や確認もスムーズになり、余計なストレスを避けられます。
ちょっとした観察と工夫で、毎日のやり取りが格段に楽になるものです。
不機嫌な上司や社員と接するとき、まず大切なのは「自分の心を守ること」と「職場全体への影響を最小限にすること」です。
まずは「自分が無理なく取り入れられること」から実践し、少しずつストレスを軽減する工夫を重ねていきましょう。
転職を考えることも選択肢のひとつ
改善されない職場は退職も視野に
会社や総務が改善に向けて行動しても、状況が変わらない場合があります。
特に立場が高い役職者ほど注意できる相手が限られ、処分や指導に慎重にならざるを得ないケースもあります。
こうした職場は、不機嫌によるハラスメント(フキハラ)だけでなく、他のストレス要因やハラスメントが発生しやすい環境ともいえます。
そのため、改善が見られない場合は「転職も選択肢のひとつ」と考えておくことが、精神的な負担を溜め込まず、自分を守る上で大切な心構えです。
あくまで最終手段としての選択肢であることを意識しつつ、まずは会社や総務ができることを尽くした上で判断するのが現実的です。
総務としての対応:放置は厳禁、環境改善は会社の義務
ここからは、職場環境の改善に携わる総務向けのパートです。
相談を受けても動きづらい現実はありますが、不機嫌の連鎖は組織全体の問題です。
さらに重要なのは、「問題が解決されるまで、現場ではストレスを抱え続ける社員がいる」ということ。
他人事として見過ごすのではなく、社員が不要なストレスから早く解放されるよう、会社として、総務としての解決策を模索することが求められます。
ヒアリングは「冷静・事実ベース」で外堀から埋める
相談を受けた際、どうしても相談者本人の主観が強くなりがちです。
そこで重要なのは、
といった事実を具体的に聞き取り、積み上げていくことです。
さらに、その場面を見ていた周囲の社員の声を確認することも有効です。
ヒアリングの際に注意すべきは、タイミングと状況です。
問題の社員に相談内容が知られると、相談者が攻撃対象になってしまう可能性があります。
お昼休みに給湯室で偶然会ったときや、残業中で該当社員がいない場面など、目立たないタイミングを選ぶのが鉄則です。
地道な聞き取りは時間がかかりますが、情報の蓄積は「問題の重大さ」を示す大切な材料になります。
慎重かつ冷静に進めることが、総務としての責任ある対応につながります。
必ず上位者を巻き込む
総務が単独で注意しても、問題は改善しません。これは私の20年の経験から断言できます。
最終的に改善に動くのは、経営層や管理職など、本人より立場の強い人です。
総務の役割は“補助として動くこと”であり、職場環境を守る責任は会社側にあります。
そのため、総務としてできることは、先ほど解説したように「事実に基づいて情報を集める」ことです。
集めた情報を上層部に伝えることで、解決に向けた具体的な行動への責任は総務から切り離されます。
ポイントは、最終的な判断や行動は上層部に委ねること。
総務は現場の状況を正しく整理し報告することで、問題解決への第一歩を安全かつ効果的にサポートする役割を果たします。
本人に伝えるときの注意点
不機嫌な上司や社員に、困っている社員がいることを伝える場面があります。
ここで注意すべきポイントがあります。
会社によっては、上層部から「総務から本人に注意しておいて」と指示されることもありますが、そのまま引き受けるのは避けましょう。
理由は以下の通りです。
これまで行ってきた情報収集や整理が無駄になってしまう可能性があります。
もし総務から伝えてほしいと指示された場合でも、必ず再度事の重大さを上層部に説明し、可能な限り問題社員より立場が高い役職者や社員から伝えてもらうよう調整しましょう。
層部からの指示を断りづらいとき
「総務から本人に伝えておいて」と上層部から指示されると、断りにくい場合があります。
ここで意識してほしいのは、総務が安易に引き受けると、以下のようなリスクがあることです。
少し想像してみてほしいのですが、困っている社員が総務に相談し、その結果、社長など立場の高い人物が直接対応しているのを相談者が見たとき、どう感じるでしょうか。
「総務が社長に伝え、解決に向けて動いてくれている」と感じるはずです。
この姿勢こそ、総務本来の役割である「会社の調整役」であり、健全な職場環境を作る行動です。
総務は上層部からの指示を優先するより、現場の不安や悩みを重視して行動することが最も重要であり、信頼される総務の立ち位置を築く鍵となります。
改善が見られない場合の最終対応
いくら総務が事実を整理し、上層部に報告しても、問題社員の態度が改善されないケースはあります。
その場合、総務としてできることは限られますが、会社としての責任を果たすための最終対応をサポートする役割があります。
まず重要なのは、現場の社員に「問題は会社として把握しており、改善に向けた手順が取られている」と安心感を与えることです。
同時に、上層部が具体的に指導・注意・処分を行うプロセスを見守り、必要に応じて情報を追加提供します。
具体的には、以下のような流れが考えられます。
ここで総務が重要なのは、感情的にならず、事実を整理して橋渡し役を果たすことです。
総務が冷静に現場と上層部をつなぐことで、社員の安心感は増し、会社全体の環境改善にもつながります。
最終的な行動や判断は上層部に委ねつつ、総務としての責任範囲を明確に意識することが、負担を増やさず効果的に対応するコツです。
まったく改善しない場合の処分と就業規則の整備
最終的に改善が見られない場合は、会社として正式な処分を検討する段階です。
総務の役割は、処分を決定することではなく、事実や経過を整理して上層部に正確に伝え、手続きが円滑に進むようサポートすることにあります。
具体的には、次のような流れになります。
ここで重要なのが、処分の根拠となる就業規則の整備です。
総務としては、就業規則に則って適切な手続きが行えるよう、内容の見直しや整備を常に意識することが必要です。
規則が明確であれば、処分を行う際に「恣意的ではない」「公正な判断」という根拠になります。
また、処分が実施された後も、現場の社員が安心して働けるようフォローを忘れないことが大切です。
総務が「会社として環境改善に責任を持っている」という姿勢を示すことで、問題社員だけでなく、残る社員にも健全な職場文化を伝えることができます。
まとめ:不機嫌な人の圧に負けず、心を守るために
不機嫌な態度で圧をかけ続けるのは、立派なハラスメントです。
ストレスを感じるあなたは、決して悪いわけではありません。不機嫌ハラスメントは、
など、さまざまな悪影響をもたらします。
そして改善には、総務だけではなく経営層の力が不可欠です。
もし働き続けることを選ぶなら、今日からできる対応だけでも、きっと心が軽くなります。
そして何より、あなたの心と身体を守ることが最優先。
本記事から、いつも不機嫌な上司や社員との付き合い方のヒントになれば幸いです。
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