
総務の仕事でつらい場面のひとつが、「職場での板挟み」です。
社員同士の間に入ることもあれば、会社(上層部)と社員の間に立つこともあります。
そんな意見の違いの間に立つと、精神的にすり減ってしまうのも当然です。
想像するだけでも胃がキリキリする人もいるのではないでしょうか。
でも、板挟みは総務の「役目の誤解」から生まれていることが多いのです。
立ち位置を正しく理解すれば、無理に背負い込むことは減り、気持ちも自然と軽くなります。
本記事では、元総務部長として自分自身が経験した「板挟み」について、解消法と総務の本来の「役割」について解説していきます。
なぜ板挟みが多い?総務の置かれた立場
社員同士の間や、上司と部下の間など、さまざまなシチュエーションで板挟みになることが多い総務。
一見、他部署の社員が間に入っても良さそうに見えますが、なぜか決まって総務に依頼がくる…。
ここでは、会社や社員の中で起こりがちな「総務の立場の誤解」について見ていきましょう。
何でも屋の延長で依頼される
裏方業務やサポート業務が多い総務の仕事。さらに雑務も多くこなしています。
そのため、仕事の幅が広いあまり「何でも屋」のようなポジションになってしまうことがあります。
そんな社員トラブルまで、いつの間にか「総務の仕事」として扱われることも。
雑務もトラブル対応も通常業務もこなす中で、精神的に疲れてしまうのは当然です。
そんな幅の広い総務の仕事と、ストレスを乗り切るための心構えはこちらの記事で詳しく紹介しています。
【総務の現実】きつい・つらい総務の立場とリアルなストレスを乗り越える心構えとは
社員トラブルの対応も総務の仕事という認識
「誰に頼めばいいかわからない」とき、決まって総務に話がくることがあります。
どこかに「社員トラブルの対応は総務がやるもの」という暗黙の了解があるのかもしれません。
周りからは「総務が対応するのは当たり前」。
総務からは「なぜ私が対応しないといけないの?」。
このすれ違いの中で、結局動いてしまうのが総務の性格です。
こうして無理に対応を続けるうちに、心がすり減ってしまうことも少なくありません。
組織の構造上、板挟みが起こりやすい
こうした誤解の背景には、実は組織の構造そのものにも理由があります。
総務は、経営側の意向と社員の実務の間をつなぐ「中間管理的」な立ち位置にあります。
つまり、どちらの立場の意見も理解しなければならないという、構造的な宿命を持っています。
どちらかに寄るともう一方から反発を受け、どちらにも寄らないと「何もしてくれない」と言われる。
この構造こそが、板挟みを生み出す根本的な要因なのです。
板挟みになったときの意識の切り替え
板挟み状態になったとき、真正面から受け止めすぎると精神的な負担はどんどん大きくなります。
ここでは、板挟みの状況でもストレスをためすぎないための意識の持ち方を紹介します。
読んでいただければ、これから同じような場面に直面したとき、少し気持ちが楽になるはずです。
総務は本来「調整役」である
板挟みの状況になると、つい「どうすれば解決できるか」と考えてしまいがちです。
しかし、それは総務の本来の役割を超えてしまっています。
総務の仕事は、
この3つです。
もし総務がすべてを「解決」してしまうと、役職者や管理職の判断の余地がなくなってしまいます。
総務はあくまで「状況を正確に整えて伝える橋渡し役」。
たとえば、AさんとBさんの間でトラブルが起きた場合、総務の仕事は「どちらが悪いかを決めること」ではありません。双方の意見を整理し、判断できる形に整えることが仕事です。
ポイントは、
この意識の切り替えが、板挟みを軽くする最初の一歩です。
伝え方を「中立」に戻す
調整役として働くとき、言葉の使い方もとても大事です。
どちらかの肩を持つような表現をすると、善意でも「総務が味方した」と誤解されやすくなります。
調整役としての正しい伝え方の例:
❌「Aさんの言うことも一理ありますが、Bさんの意見も分かります」
→ 両方をフォローしようとして、かえって曖昧になる。
⭕「Aさんはこう感じていて、Bさんはこう考えています」
→ 感情を挟まず、事実だけを整理して伝える。
総務は「調整役」であり「通訳」のような立場です。
自分の判断を挟まず、相手の言葉を整えて伝えるだけで、板挟み感は驚くほど軽くなります。
責任まで追わない工夫
総務が間に入って調整していると、当事者の社員が「総務が解決してくれる」と思い込んでしまうことがあります。
ここで勢いに流されてしまうと、結果的に「責任」まで背負うことになってしまいます。
自分の判断で解決してしまうと、不利になった側の社員に不満が残り、あなたへの不信感につながることも。
それを防ぐためにも、「自分では判断できないので、上司に相談してみます」とはっきり伝えましょう。
この一言で、社員は「総務の役割は整理して上司に相談すること」だと理解します。
すると、自分が背負い込むプレッシャーから解放され、冷静に話を聞けるようになります。
上司に相談し一人で抱え込まない
「上司に任せるなんて、逃げてるように見えるかも」と思う人もいるでしょう。
これは、責任を押し付けているのではなく、適切な判断権限を持つ人に引き継いでいるだけです。
総務が抱え込まないことは、結果的に組織全体にとってもプラスになります。
感情の出口を自分の中につくる
それでもつらい時期はあります。
「どちらの言い分も分かるけど、どちらも間違っていない」
そんな場面では、総務の心が最も疲れます。
そんなときは、感情を吐き出す場所をひとつ持ちましょう。
人に話すだけで、翌日の気持ちの軽さはまったく違います。
もし誰にも話せないときは、紙やメモアプリに気持ちを書き出すだけでも効果的です。
頭の中のモヤモヤを外に出すことで、客観的に自分の感情を見られるようになります。
まとめ
総務は「解決する人」ではなく、「整える人」。
この考え方を持つだけで、仕事の進め方も気持ちの持ちようも変わります。
もし板挟みになることが多く、解決に悩んでいる総務社員がいれば、「解決しよう」とせず、「聞いて整理して伝える」だけで十分です。
自分に余計なプレッシャーをかけないようにしましょう。
その一方で、板挟みの多い総務の仕事は、実は「人との信頼関係を深めるチャンス」。
感情に振り回されず、誠実に整えて伝える——その姿勢は、必ず誰かが見ています。
そしてそれが、やがて総務としての信頼と評価につながっていくのです。
総務が抱えやすい「見えない苦労」
総務は社内の調整役になることが多く、知らないうちに板挟みの立場になってしまうことも少なくありません。
しかし、その苦労は周囲からはなかなか見えないため、誤解されてしまうこともあります。
「楽そう」「暇そう」「偉そう」といったイメージも、そうした見えにくい仕事の裏側から生まれることがあります。
こうした総務への誤解の背景は、【誤解の構造】周りから見た「総務の姿」は誤解だらけ?の記事でまとめて整理しています。
他にも総務が誤解されやすいポイントを紹介しているので、よければ参考にしてみてください。
【誤解の構造】周りから見た「総務の姿」は誤解だらけ?楽そう・暇そう・偉そうと言われる理由と本当の価値
板挟みによる精神的なストレスの蓄積が退職理由になることも
どれほど考え方を変えても、組織の構造そのものに問題があり、板挟みの状況が改善されないケースもあります。
もし、毎朝会社に行くのが苦痛で、「もう何もかも限界だ」と感じているなら、一度立ち止まって自分の本当の気持ちを確認してみてください。
取り返しのつかない状態になる前に、今のつらさが総務の仕事がつらくて辞めたいと感じたときに整理したい判断基準に当てはまっていないか、冷静にチェックしておくことが大切です。
【もう限界…】総務の仕事がつらくてもう辞めたい…つらい原因と“辞める前に整理したいこと”
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