
総務部で部下や後輩がなかなか仕事を覚えてくれない…そんな悩みを感じたことはありませんか?
総務の仕事は、ルールや手順が決まっていることが多く、マニュアルも作りやすい業務が中心です。
そうした特徴があるにも関わらず、
と感じてしまう場面、ありますよね。
本記事では、総務部での部下や後輩が仕事を覚えられない原因を整理しながら、指導やフォローの考え方についてお伝えします。
仕事を覚えない部下への悩み
部下がなかなか仕事を覚えてくれない…
総務の現場では、こうした悩みを抱える上司や先輩社員は少なくありません。
手順を教えたはずなのに、何度も同じことを質問されたり、些細なミスが繰り返されたり。
そんなとき、ふと…「どうして覚えられないんだろう…?」と疑問に感じますよね。
実は、この「なぜ覚えられないのか」を掘り下げていくことこそが問題解決の第一歩。
部下本人だけでなく、教え方や職場の状況も含めて、原因を冷静に見極めていきましょう。
大事なことは「やり方」を教えること?
部下が仕事でミスをしたとき、その原因を聞くことはありませんか?
返ってくる答えの多くは、次のどちらかです。
本人が原因を理解できていれば、自力で解決することもできるでしょう。
しかし、本人もわからない場合、手の付けようがないですね。
だからこそ、私たちが伝えるべきなのは「正解」ではなく「どうやってミスを防ぐか」「どうやって覚えるか」という「やり方」や「考え方」の部分です。
たとえば、マニュアルや社内ツールをどう使うか、情報をどう整理するかも基本的なスキルもその一つ。
こうした「仕事の覚え方」を教えることが、成長の土台になります。
この記事では、そうした観点から「なかなか覚えられない」の原因を一緒に考えていきましょう。
ミスが少ない人は「ミスをしない方法」を知っている
仕事の精度が高く、ミスが少ない人に共通しているのは、マニュアルの使い方やメモの取り方が上手なこと。
つまり「どうすればミスを防げるか」ということを知っているのです。
こうした「やり方」を共有することで、仕事が覚えられない部下の成長を後押しすることができます。
仕事を覚えない部下の行動を知る
仕事をなかなか覚えられない原因は、部下の「言葉」よりも「行動」に表れることが多くあります。
とくに、手の動きの迷いや、ふと止まってしまう瞬間などに、つまずきのヒントが隠れているのです。
まずは、部下が問題の作業をしている様子を、できるだけ丁寧に観察してみましょう。
スムーズに手が動いている場面と、考え込んで手が止まる場面。
その差に注目すると、理解が曖昧な部分や苦手な工程が見えてくるはずです。
また、手が止まったときに、部下がどのように解決しようとしているかも重要なポイント。
マニュアルを見るのか、人に聞くのか、それともそのまま作業を進めてしまうのか…。
そこに改善のヒントが隠れています。
さらに深掘りしていくと、次のような傾向に気づくかもしれません。
このように「行動」に目を向けて原因を探ることで、的確な指導やサポートの糸口が見えてきます。
その仕事、記憶に頼ってない?
部下が「記憶」に頼って作業を進めているとき、本人は「正しく理解している」と思い込んでいることがよくあります。
この場合は、作業そのものはスムーズに見えるものの、内容をチェックしてみるとミスが多い…ということになりがちです。
問題は「なんとなく覚えたこと」で進めているため、間違いに気づきにくいという点です。
誤ったままの理解で作業が進むと、習慣として定着してしまい、あとから修正するのが難しくなってしまいます。
この場合は、いったん本人の「認識」をリセットし「正しいやり方」に置き換える必要があります。
最も効果的なのは、マニュアルの内容を反復して確認することです。
特に、間違えやすい箇所にマーカーをつける、該当ページに付箋を貼るなど、本人の目に触れる機会を増やす工夫も有効ですね。
記憶に頼る人の特徴
マニュアルがあるにもかかわらず、あまり確認しようとしない社員もいます。
そうした社員には、以下のような傾向が見られます。
実は、私自身にもこの傾向があります…。
とにかくマニュアルを見るのが億劫で「一度覚えたことは何とかなる」と思ってしまうタイプでした。
しかし、総務の仕事は繰り返しの作業が多い一方で、ちょっとしたミスが大きな影響を及ぼすこともあります。
正しい「型」に沿って作業を進めることは、後々の仕事のスピードや正確性にも大きく関わってくるのです。
マニュアルを上手く活用できてる?
マニュアルの大前提は「誰が作業しても、同じ結果になる」ことです。
そこには、本来、個人の思い込みや解釈が入り込む余地はありません。
だからこそ、最初のうちは「マニュアルを見ながら作業する」ことを徹底させるのが効果的です。
そして、何度もマニュアルを確認して作業を進めるうちに、内容が自然と記憶に残っていきます。
このとき頭に残るのは、「自分の解釈」ではなく「正しい手順」です。
つまり、マニュアルの反復とは「正しい型」を定着させるための最もシンプルで確実な方法なのです。
マニュアルの精度を見返してみる
マニュアルを見ながら作業しているのに、なぜかミスがなくならない。
そんな場合は「部下の理解力」の前に、マニュアル自体の精度を疑う必要があります。
誰でもわかるマニュアルか?
マニュアルを見る人のスキルや経験はそれぞれ異なります。
もし、優秀な社員を前提にして作られたマニュアルであれば、初心者には理解しづらい可能性があります。
特に、専門用語や社内独特の言い回しには注意が必要です。
初心者の立場に立ち、
などを意識することで、ぐっと理解しやすいマニュアルになります。
「ここはわかるだろう」は要注意!
「たぶんここは省略しても問題ないだろう」と思い省いた説明が、実はつまずきポイントになっていることもあります。
業務をよく知る人の感覚で作られたマニュアルほど、初心者にとっては「なんでこうなるの?」が増えてしまうものです。
マニュアルを作成する際には、最も知識や経験が少ない人に合わあせた内容にすることが大切ですね。
マニュアルの情報が最新か?
もう一つ、見落としがちなのが「マニュアルが古くなっていないか」という点です。
実は、部下がどのマニュアルを使っているかまで把握していないケースは意外と多いです。
まずは、本人が使っている現物を一緒に確認してみることをおすすめします。
システム更新時はマニュアルも要チェック!
システムの画面や仕様が変わった場合、古いマニュアルと実際の操作画面が一致しないことがあります。
ドロップダウンの内容が変わっていたり、ボタンの配置が違っていると、初心者は「自分が間違えているのでは」と不安になります。
画面とマニュアルの不一致がストレスやミスの原因になることもあるので、システム変更時は必ずマニュアルも見直しましょう。
自己流のメモがミスの原因かも?
マニュアルが整備されていない業務や、イレギュラーな作業の場合、社員が自分でノートやメモを取ろうとします。
自分で覚えようとする姿勢、とても好ましいものです。
しかし、そのメモ自体が、
といった場合、逆にミスの温床になってしまうこともあります。
一度、部下のメモの内容を確認してみるのも一つの方法です。
実際に、過去に何人かのメモを見せてもらったことがあります。
その際、ミスが少ない社員のメモは、他の人が見てもすぐ理解できるように整理されていました。
一方で、メモを取っているのにミスが多い社員のメモは、ぱっと見では何が書いてあるのか分かりにくいケースが多かったのです。
書き方が良くないメモの特徴
ミスが多い人のメモには、以下のような共通点が見られます。
メモの取り方には個人差がありますが、もし本人が許してくれるようならば、一度見せてもらってアドバイスすることも大切です。
メモを自己解釈していることも
また、もう一つ注意したいのは「自己解釈による誤り」です。
メモを取った直後は覚えていても、実際に作業で使うまでに時間が空くこともあります。
そのとき「あれ、これは何のことだったっけ?」と自分で書いた内容なのに意味が分からなくなることがあります。
「これ、なんのメモだったっけ?」あなた自身も、こんな経験はないでしょうか?
そうして、曖昧な記憶を補うように勝手に解釈してしまい、結果的にミスにつながる。
こうした事態は、周囲からは気づかれないため、見逃されやすいポイントです。
メモを使う=安心ではないことを意識し、本人が「どうメモしているか」を確認する機会を持つことも、ミス防止の一環になります。
仕事を覚えない部下への指導
部下や後輩が育たない理由を探ると同時に、「教育する側」にも目を向けてみましょう。
仕事を教えるための環境や仕組みが整っているか、これとても大事です。
教育担当者が実力を持っていても、サポート体制が不十分では、効果的な指導は難しいものです。
会社全体で育成体制を見直すことも、教育の質を左右します。
「なるほど!」の数を増やす
部下や後輩が仕事を覚える過程で「なるほど!」と納得できる瞬間は、強く印象に残ります。
この「気づき」が多いほど、理解も記憶も深まるのです。
そのため、指導するときは、
といった方法で「なるほど!」の数を意識的に増やすことが大切です。
質問に対してすぐに答えを与えない
仕事がなかなか身につかない部下には、質問されたときにすぐ答えを教えないことがポイントです。
もちろん、困っているときに放っておくのではなく「ヒント」を与えて自分で考えてもらう姿勢が大切です。
たとえば、
といった問いかけによって、本人の中で記憶や思考を引き出すように導きます。
自分で「思い出した」「気づいた」ときに感じる「あ、わかった!」という実感こそが、記憶に定着しやすい瞬間です。
こうした積み重ねが、成長につながっていきます。
自信と安心感を与える言葉も効果的
仕事を覚えている途中でつまずくと「自分には向いていないのかな…」と不安になってしまうこともあります。
そんなときは、
といった前向きな声かけが効果的です。
気持ちが落ち着いて前向きであれば、脳もリラックスし、吸収力が上がると言われています。
自信と安心感を与える言葉がけは、部下のやる気を引き出し、仕事を覚える後押しになります。
覚えて忘れて、思い出すサイクルが大事【重要】
仕事を覚えたと思っても、すぐに忘れてしまうのは学習の自然な過程です。
部下や後輩が忘れてしまうことをネガティブに捉えず、成長の一部として受け止めましょう。
この時、過剰にフォローしてすぐ答えを教えるのではなく、本人に思い出す機会を与えることが重要です。
なぜなら、じっくり考えて自分で思い出したことは、記憶に残りやすく、忘れにくいからです。
この「覚えて→忘れて→思い出す」というサイクルを繰り返すことで、知識やスキルはより深く定着します。
「思い出す力」を育てることこそが、長期的な成長の鍵と言えるでしょう。
「見て覚えろ」は指導する側の甘え
「見て覚えろ」という指導は、教える側の手を抜いた態度とも言えます。
教える側が簡単に済ませようとすると、部下や後輩の理解が進まず、結果的にミスや混乱を招くことも少なくありません。
今の時代は、単に見せるだけでなく「見せ方」や「伝え方」に工夫を凝らすことが求められています。
視覚的にわかりやすく工夫した資料を用意したり、反復して見せたりするなど、受け手の理解度に合わせた柔軟な伝達方法が重要です。
そもそも、もし「見て覚えろ」で十分なら、教育担当者の存在意義自体がなくなってしまいますよね。
採用基準が仕事を覚える力を左右する?
部下が仕事を覚えられない背景には、そもそもの採用段階での基準や見極めが影響していることもあります。
仕事の習得スピードや理解力は個人差が大きいです。
そのため、採用時に「業務の特徴に合ったスキルや性格」を見極めることが重要です。
例えば、コミュニケーション力や理解力のほかにも、
など、学ぶ意欲や姿勢もチェックポイントになります。
採用基準を見直すことで、仕事を覚えにくい社員を減らし、育成の効率化につなげることが期待できます。
採用次第で教育の負担は大きく変わる
採用基準を少し見直すだけで、教育担当者の負担は大きく変わります。
「最低限、これができる人」というラインを明確に設けることで、入社後の教育においてゼロから教える必要が減ります。
たとえば、
などは、業務を覚える上で非常に重要な素養です。
こうした点を選考時にチェックしておけば、教育担当者が「同じことを何度も繰り返し説明する」といった負担が軽減されます。
そして、より実践的な指導に集中できるようになります。
採用は、スタートラインの高さを決める工程とも言えます。
基準の見直しは、単に良い人材を採るためだけでなく、社内全体の教育効率を高める効果もあります。
教育担当者に適正はある?
仕事を覚えられない部下には、教育担当者の指導力や接し方も大きな影響があります。
ただ教えればいいわけではなく、相手に合わせた伝え方やフォローの仕方がとても大事になります。
たとえば、指導がうまい担当者には次のような共通点があります。
部下の疑問や不安に寄り添いながら進めることがポイント。
教育担当者の適正を見直し、必要であれば指導スキル向上のための研修などを検討することも効果的です。
まとめ
仕事を覚えられない部下への指導は、ただ「覚えろ」と押し付けるだけでは効果が薄いです。
ポイントは、部下の理解度や記憶の仕組みを踏まえ、効果的に伝える工夫をすること。
具体的には、
これらのポイントを意識しながら指導を進めれば、部下の成長を支援し、ミスを減らすことができるでしょう。
指導は時間も労力もかかりますが、丁寧に取り組むことで確かな成果が得られます。ぜひ今日から実践してみてください。
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