【慎重対応】訃報が届いたときの総務の準備と、すぐに対応できる体制作りとは

香典袋と数珠

取引先や関係者からの突然の訃報が届いたとき、すばやい行動が必要です。

しかし、年間通してあまり行わない業務のため、不慣れな人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、訃報が届いたときに総務が準備すること、すばやく準備ができる体制作りについて簡潔に解説します。

訃報があった時の総務の対応

訃報が届いたら社長や上司にすぐに報告し、同時にお通夜と葬儀の日時と場所を確認します。

報告後、お通夜までの時間が短いケースもあるので、迅速な対応が必要になります。

また、弔電や香典などの準備をすることもあるので、どのような対応をすべきか順を追って説明していきます。

まずは訃報の詳細を確認

訃報の詳細を確認します。「いつ」「どの会社の」「誰が」亡くなったのかを確認し上司へ伝えます。

その際に、総務で先に内容を確認しておき喪主やお通夜や葬儀の場所と日時などを把握します。

まずは、その内容をきちんと把握した上で社長や上司に報告し指示を受けます。

さらに、口頭や紙面上での訃報と同時に弔電や香典、供花や供物の弔意辞退の有無も必ず確認しましょう。

必要であれば急いで準備します。

弔電の手配

電報の手配をする前に確認しておくこと

NTTの「電報お申込みサイトD-MAIL」からwebサイト上(NTT東日本 D-MAIL / NTT西日本 D-MAIL)で申し込みができます。

最近では民間の弔電サービスも増えており、スマートフォンから短時間で依頼できるケースもあります。

なお、連絡をする前に、

葬儀の日時と場所
誰宛てに弔電を打つか(一般的には喪主宛て)
送り主は誰か(会社名か社長名、部署名など)

これらの項目を確認してから進めるとスムーズにいきます。

「忌み語」には注意!

弔電を送る場合、葬儀に不適切とされる「忌み語」は使用しないように注意しましょう。

忌み語には下記のような表現があります。

「たびたび」や「重ね重ね」、「ますます」などの繰り返し表現
「落ちる」や「消える」、「浮かばれない」などの不吉に捉えられる表現
「死ぬ」や「急死」、「活きていた」などの生死に関する直接的な表現
「四」や「九」の不吉な数字

香典の準備

香典の相場は3万円~5万円ですが、会社間のつながりや親密さによっては5万円~10万円包むこともあります。

香典袋の表書きは宗教によって異なるので、注意が必要です。

紙幣は新札ではないものを使用しますが、あまりにも汚れていたりシワが多いものは避けましょう。

不祝儀袋と袱紗などは2セット用意しておくと安心

取引先や関係会社から訃報が届くと、通常は社長が代表として参列します。

でも、社長が出張や外出中のとき、急に別の社員が参列することもあります。

私も以前、社長不在のタイミングで不祝儀袋や袱紗を探し回ることになり、大慌てした経験があります。

こうした「急な対応」のストレスを避けるため、香典袋や袱紗は社長用と総務用の2セットをあらかじめ準備しておくのがおすすめです。

手元に揃えておけば、急な訃報でも慌てずに対応でき、総務としての信頼感も自然に高まります。

宗教ごとの香典の表書き

宗教表書き
仏式御香典(おこうでん)・御霊前(ごれいぜん)
神式御玉串料(おたまぐしりょう)・御榊料(おんさかきりょう)・御霊前(ごれいぜん)
キリスト教献花料(けんかりょう)・御花料(おはなりょう)・御霊前(ごれいぜん)

その他の宗教ごとの特徴は記事後半の「宗教ごとの葬儀の違いと特徴を知る」をご覧ください。

供花・供物の手配

供花、供物を手配する場合、喪主から指定の葬儀社や花屋などがあるときはできるだけその店を利用します。

指定がなければ、近隣の花屋や取引先関係などに手配を依頼します。

また、最近は供花・供物をオンライン注文できるサービスも増えています。

供花や供物は差出人の名前を立札に記すため、芳名板に記載する名前を社長や上司に確認したうえで正確に伝えましょう。

訃報に対応できる準備をしておく

訃報がどのように届くか把握しておく

まず、会社としてどのような形で訃報が届くか把握しておきましょう。

案内状や電話、メールやFAX、取引先担当者が直接聞く場合など様々な入口があります。

どこから報告があっても確認できる形を社内で作っておかなくてはなりません。

特に、メールやファックスの場合は注意が必要です。

他のデータや書類に埋もれて、気付いた時にはお通夜が終わっていたなど、そのようなことがあれば遺族方へ大変失礼になります。

小さなことですが、とても大事なポイントといえます。

朝イチに訃報が届いていることが多い

朝出勤し、会社宛のメールやFAXを確認しているときに訃報に気付くことがよくあります。

しかも、通夜がその日の夜に行われることもあります。

午前中は訃報の対応に時間を使うため、すばやく準備ができるように、するべきことやマナーをしっかり把握しておきましょう。

社長の交流関係を把握しておく

総務として社長が普段どのような会社と交流があるのか、どのような会合に参加しているのかなどを、ある程度把握しておきましょう。

故人の会社や名前を総務側は知らないことが多々あります。

普段、会社への電話などでよく耳にする社名や社長であれば、その重要性は自然に把握できます。

しかし、あまり聞いたことのない会社では、ワンテンポ遅くなることもあります。

総務側でも普段の社長や役員の行動について知っておくことも大切ですね。

ある程度の社長の交友関係を総務側で認知しておきましょう。

対応する人を属人化させない

訃報対応は突発的かつ重要な業務であるため特定の社員が対応しているケースが多いのではないでしょうか。

もし、いつも対応している社員がその時に不在だった場合、あるいは供花をお願いしているいつもの業者が休業のとき、どう対応しますか?

こうした緊急時にも、どのようなリカバリができるかを考えておかなければなりません。

頻繁にない業務ほど属人化しやすいものです。

これらの一連の流れをマニュアル化し誰でもいつでも対応ができるようにしておくことも必要ですね。

マニュアルにする項目例

社長の交流関係の把握(取引先や会合など)
訃報の連絡ルートの確認
弔電の依頼先(NTT「115」)
香典の金額設定
供物の依頼先(候補を複数)

総務の属人化が気になる人はいますぐこちらをチェック!

仕事が多くて悩む総務女性

【また私?】担当が決まっていない業務が集中する人のための属人化&負担回避法

総務の仕事が特定社員に集中してしまう悩みを解消。事務業務の共有方法や社員間トラブルの注意点整理で、属人化防止と精神的負担軽減のポイントを紹介。 …

宗教ごとの葬儀の違いと特徴

日本での葬儀は約9割が「仏式(仏教葬)」で執り行われています。

しかし、稀に故人の信仰する宗教により「神式」や「キリスト教」で葬儀を行う場合があります。

参列した経験の少ない総務の方や、参列する社長や社員も同様に、違いがわからず困ることもあるかもしれません。

以下に「仏式」「神道」「キリスト教」の葬儀の違いについてみていきます。

宗教ごとの特徴

訃報が届いたとき、総務として準備するもので香典や弔電などがあります。

しかし、宗教ごとで使用する言葉や用意する物が異なるため注意が必要です。

間違ってしまうと、失礼にあたり会社としても信頼を損なうかもしれないため、慎重に正確に理解したうえで準備しましょう。

宗教香典供花供物弔電
仏教御香典(おこうでん)
御霊前(ごれいぜん)
白を基調とした菊やユリなど果物、菓子、線香、ろうそくなど「ご冥福をお祈りします」などの表現が一般的
神道御玉串料(おたまぐしりょう)
御榊料(おんさかきりょう)
御霊前(ごれいぜん)
榊(玉串)や白い花米、酒、塩、水、野菜、乾物、海産物など「御霊(みたま)の安らかならんことをお祈り申し上げます」など
キリスト教献花料(けんかりょう)
御花料(おはなりょう)
御霊前(ごれいぜん)
派手すぎない洋花(ユリ、カーネーションなど)供物は不要。献花を行うのが一般的「安らかな眠りをお祈りします」「哀悼の意を表します」「神の御加護を」など(「冥福」は使わない)

儀式の呼び方

宗教ごとに、故人を偲ぶ儀式の呼び方が異なります。

仏教では通夜、葬儀、告別式が主な流れです。

神道では通夜祭、葬場祭、火葬祭などが行われます。

キリスト教は前夜式、葬儀ミサ、追悼式が一般的です。

呼び方を間違えると失礼にあたるため、事前に確認し、正しい言葉遣いと対応を心がけることが重要です。

宗教前夜の儀式本儀式告別の儀式
仏教通夜葬儀告別式
神道通夜祭葬場祭火葬祭・埋葬祭
キリスト教カトリック前夜祭葬儀ミサ追悼式
プロテスタント前夜の礼拝葬儀式告別式

独特な儀式

宗教にはそれぞれ独特な儀式があります。

仏教では焼香を行い、読経を伴うことが一般的です。

神道は玉串奉奠を通じて故人に敬意を表し、キリスト教は献花や祈りの時間を設けます。

普段、あまり経験をすることがないため、急な対応でも慌てないように頭の片隅に覚えておいても良いと思います。

宗教葬儀の儀式作法
仏教焼香・まず香炉の前に立ち、手を合わせて礼をする
・焼香台から香をつまんで、静かに香炉に加える
・香を加えた後、軽く一礼し、故人を偲ぶ
・最後に、再度一礼して席を離れる
神道玉串奉奠・玉串を根元が自分のほうにくるように受け取る
(注意:根元を自分側に向けて渡されるため、そのまま持ちます)
・神前に進み、一礼
・玉串を時計回りに回し、葉先を神前に向けて置く
・二礼二拍手一礼して下がる(地域や流儀によって異なる場合もあるため、周囲の動きを確認)
キリスト教カトリック
プロテスタント献花・花を係員から受け取る(茎が下、花が上向きに渡されます)
・献花台の前で一礼
・花を両手で持ち、茎を祭壇側、花を自分側に向けて静かに献花台に置く
・再度一礼して下がる

葬儀に参列するときの服装

葬儀の服装は、宗教や儀式の形式を尊重した選び方が求められます。

仏教や神道では、男性は黒のスーツ、白シャツ、黒ネクタイ、女性は黒のワンピースやスーツが一般的です。

キリスト教の葬儀でも同様ですが、カトリックやプロテスタントの違いにより、多少の差異があることも。

派手なアクセサリーや過度なメイクは控え、故人や遺族に敬意を示す服装を心がけることが大切です。

宗教特徴
仏教喪服として黒のスーツやワンピースが基本です。男性は黒いネクタイを着用し、女性は黒いストッキングを履き、アクセサリーは光沢の少ない真珠などを選びましょう。靴も黒のシンプルなデザインが良いです。急な訃報の場合、略喪服として黒系のスーツでも許容されることがあります。
神道神式の葬儀でも、基本的な喪服のマナーは仏式と同様です。黒のスーツやワンピースを着用し、アクセサリーは控えめにしましょう。神式では白を神聖な色とみなすため、一部の地域や風習で白装束を用いる場合もありますが、参列者としては黒を基調とした服装が無難です。
キリスト教仏式や神式と同様に黒の喪服が適切です。ただし、派手なアクセサリーやネクタイピンは避け、シンプルな装いを心がけます。キリスト教では白を神聖な色とするため、黒一色でなくアクセントとしての白があっても問題ありません。白のシャツや控えめな小物を取り入れるのも適切です。また、カトリックの場合、黒以外でも地味な色の服装が許されることもあります。特に故人が高齢で天寿を全うした場合、グレーや紺など落ち着いた色合いの服を着ることもあります。

参考:葬儀関連用語と意味

葬儀関連の用語は聞き慣れないため、まずは読み方とその意味について一覧にしています。

言葉に発したり文字にすることが少ないと思うので、もし読み方や意味を知らない人がいれば理解しておきましょう。

基本的な言葉と意味を理解することで、確認や連絡をすれば話がスムーズになると思います。

言葉読み意味
訃報ふほう死亡の知らせ
弔電ちょうでん弔意を示すための電報
香典こうでん故人の霊前に供える金銭
不祝儀袋ぶしゅうぎぶくろ香典を入れる袋
袱紗ふくさ香典を包む布。冠婚葬祭に使われますが葬儀の場合は暗めの色を用いる
供花きょうか
くげ
葬儀や通夜の会場で祭壇や会場を飾る盛花。1つ供える場合は「1基(いっき)」、2つ供える場合は「1対(いっつい)」)
供物くもつ故人への感謝や遺族への弔意を表すお供え物
立札たちふだ供花に添えられる名札
列席れっせき式典に参加する主催者側が使用する言葉
参列さんれつ式典に参加する側が使用する言葉。式典に招かれた自分を指す言葉のため、結婚式などにも使用する
忌み語いみご葬儀の場では不適切な言葉。弔電の文例で使わないよう注意
焼香しょうこう香をたき、故人への敬意と追悼の気持ちを表す仏教の儀式。
玉串奉奠たまぐしほうてん玉串(榊の枝)を神前に捧げ、故人の冥福を祈る神道独特の行為。
お通夜おつや葬儀前夜に親しい人が集まる儀式
葬儀そうぎ故人を葬る儀式の総称。正式には「葬送儀礼」で葬式と同義
告別式こくべつしき参列者が故人に別れを告げる儀式

最後に

いかがでしたでしょうか。

訃報に対しての対応は業務の一つと捉えることもできますが、業務となると事務的な対応になりがちです。

しかも、故人と面識がなければ尚更です。

しかし、お会いしたことのない故人であっても、いま会社が存続できているのは故人のお力添えがあったかもしれません。

冒頭でもお話した通り訃報はいつ、どのタイミングで知らせがくるかわかりません。

どのような訃報であっても会社として迅速に、丁寧に、失礼のないように、気遣いと責任ある対応を心掛けたいですね。

カテゴリー別に総務の現場で役立つ記事をまとめています