【電話対応DX】総務の負担を減らす2つの選択肢:電話代行とIVRを現場目線で解説

電話を見てほほ笑む女性社員

総務の仕事をしていると、「その電話、今じゃないとダメかな…」と思う場面が、少なからずあります。

集中して資料を読んでいるときや、法改正の確認をしている最中に限って、電話は鳴るものです。

電話対応そのものが悪いわけではありません。

ただ、突発的な電話によって作業が何度も中断されることが積み重なると、想像以上に負担になります。

最近は、

電話対応をどう減らすか
そもそも全部取る必要があるのか

と、電話対応のあり方を見直す会社も増えてきました。

この記事では、総務の電話対応を軽くする方法としてよく挙がる、電話代行とIVR(音声自動応答)について現場目線で整理してみます。

電話対応に追われる総務の負担

集中力を奪う「中断」のコスト

総務の仕事には、事務処理や給与計算、法改正対応など、意外と「途中で止めにくい作業」が多くあります。

そこに電話が入ると、通話時間以上に影響が大きいのが集中力のリセットです。

カリフォルニア大学の研究では、一度中断された作業が、

元の集中状態に戻るまで平均して23分ほどかかる

とも言われています。

1日に10本電話に出ているとしたら、感覚的には「ずっと何かに邪魔されている」状態。

作業が進まない、ミスが増える。それも無理のない話です。

「営業電話」という名のタイムロス

総務宛の電話を振り返ってみると、取引先や社内連絡よりも、営業・勧誘の電話が多いという会社は少なくありません。

責任者の方はいらっしゃいますか
新サービスのご案内で…

その都度、断ったり、取り次いだり。

1件あたりは短くても、積み重なると総務の時間は、かなり削られていきます。

「いつ鳴るかわからない」ストレス

もう一つ見過ごされがちなのが、電話が鳴るかもしれない、という緊張感です。

自分が出なければ
無視するわけにもいかない

こうしたプレッシャーは、じわじわとストレスになります。

最近では、電話対応そのものが苦手で、精神的な負担を感じる人も増えています。

今求められているのは、根性論ではなく、仕組みで負担を減らすことなのかもしれません。

解決策その①「電話代行サービス」という選択肢

総務の電話対応を減らす方法として、比較的イメージしやすいのが 電話代行サービス です。

会社にかかってきた電話を、外部のオペレーターが代わりに受け、内容をチャットやメールで共有してくれます。

電話を完全になくすのは不安
でも、全部自分たちで取るのはつらい

そんな会社が検討しやすい方法です。

電話代行の仕組みと実感しやすいメリット

電話代行を導入すると、代表番号への着信がコールセンターに転送されます。

オペレーターが用件を聞き取り、その内容だけがチャットや、メールなどでテキストで届きます。

【電話代行サービスのイメージ】

電話代行サービスのイメージ

総務は、自分のタイミングで折り返すか判断できます。

よく挙がるメリットは、次のような点です。

応対品質が安定している
営業電話を一次受けで止められる
感情的な電話のクッションになる

電話が鳴らないだけで、業務の進み方が変わる、という声もよく聞きます。

導入前に知っておきたい注意点

一方で、電話代行は「入れればすべて解決」というものでありません。

あらかじめ理解しておきたい向き・不向きがあります。

受電件数が多いと、コストが膨らみやすい

電話代行は月額固定+従量課金のケースが多く、想定以上に電話が多いと、「思っていたより費用がかかる」と感じることもあります。

夜間・休日対応は追加費用がかかる

24時間対応や休日対応はオプション扱いになることが多く、本当に必要な時間帯なのか、一度整理しておかないと割高になりがちです。

即答が必要な問い合わせには向かない

社内ルールや個別判断が必要な内容は、どうしても折り返し対応になります。

スピード感を求められる問い合わせが多い場合は、ストレスに感じることもあります。

「丁寧さ」を重視して人が対応するのか、それとも「業務を止めない効率」を優先するのか。

電話代行は万能ではありませんが、どこまでを外に任せるかを決めて使えば、負担を軽くしてくれる選択肢でもあります。このあたりは、会社の方針や現場の実情次第と言えそうです。

電話代行が合いやすい会社

電話代行は、すべての会社に向いているわけではありませんが、次のような特徴を持つ会社とは相性が良いと感じます。

BtoB企業

取引先や関係会社からの連絡が中心で、「誰かがきちんと受けてくれれば安心」という電話が多いケースです。

士業・コンサル業

初回問い合わせや相談の入口として、人が対応することで信頼感につながりやすい業種です。

いきなり自動音声だと不安を与えてしまう場合もあります。

電話1件の価値が高い業種

問い合わせ=受注や契約につながる可能性が高い場合、多少コストをかけてでも、丁寧に受電する意味があります。

こうした会社では、「人が出てくれる安心感」を重視する考え方と電話代行は相性が良く、現実的な選択肢になりやすいです。

最近は、fondesk(フォンデスク)のように、初期費用を抑えて始められ、総務の電話対応の負担を軽くすることに特化した電話代行サービスも増えてきています。

解決策その②「IVR・音声自動応答」という考え方

もう一つの方法が IVR(音声自動応答) です。

電話をかけると流れる、

〇〇の方は1番を、△△の方は2番を…

というガイダンスを使って、電話の入り口で用件を整理する仕組みだと考えると分かりやすいと思います。

以前は「大企業向け」「コールセンター用」というイメージがありましたが、最近はクラウド型のサービスが増え、中小企業でも無理なく導入できるようになってきました。

IVRの仕組み

IVRでは、電話を受けた瞬間に人が出るのではなく、最初に音声ガイダンスで用件を振り分けます。

【IVRのイメージ】

IVRのイメージ図

問い合わせフォームへ誘導

「お問い合わせはSMSでURLをお送りします」と案内し、そのままWebフォームへ誘導できます。

営業電話を自動で切り分け

営業用の番号を選ばせることで、緊急性のない電話に時間を取られにくくなります。

時間外は録音をしてテキスト化

営業時間外は自動で録音し、内容をテキストで確認できるサービスもあります。

人が直接対応しない分、電話に出る・取り次ぐ・メモを取るといった作業はほぼ発生しません。

総務の手を止めずに済むのが、大きな特徴です。

IVRの特徴と実感しやすいメリット

IVRには、電話代行とは違った強みがあります。

月額数千円から使える

比較的低コストで始められるため、「まず試してみる」という選択もしやすいです。

24時間365日対応できる

夜間や休日でも一定の案内ができるため、「電話がつながらない」という不満を減らせます。

履歴が残るため、折り返しが楽

録音やログが残ることで、後から内容を整理しやすく、対応漏れも防ぎやすくなります。

とにかく効率を優先したい場合、IVRはかなり強力な選択肢になります。

IVRが向いている会社

IVRは、次のような会社と特に相性が良いです。

受電件数が多い

電話が頻繁に鳴る環境では、入口で整理するだけでも負担が大きく減ります。

定型問い合わせが多い

営業時間・場所・手続き方法など、毎回同じ質問が多い場合は特に効果的です。

ITツールに抵抗が少ない

Webフォームやチャットに慣れている顧客が多いほど、IVRの案内もスムーズに受け入れられます。

ECサイトやSaaS系のサービスでは、「まず自己解決してもらう」導線と相性が良く、IVRが自然に機能するケースが多いです。

最近は、IVRy(アイブリー)のように月額数千円から使えるクラウドIVRもあり、中小企業でも現実的に検討しやすくなっています。

【比較】電話代行とIVR、どう選ぶ?

電話代行とIVRは、「どちらが正解か」ではなく、「自社に合うかどうか」で考えるものです。

以下の視点で整理すると、選択しやすくなります。

コスト

電話代行は、「月額基本料」と「受電件数に応じた従量課金」という形が一般的です。

電話の本数が少なければ問題ありませんが、件数が増えるほど、気づかないうちにコストが膨らみやすくなります。

一方、IVRは月額固定が多く、受電件数が増えても費用がほぼ変わりません。

「数で消耗している会社」ほど、差が出やすいポイントです。

受電件数

1日に数本程度であれば、電話代行でも十分対応できます。

ただし、1日10本、20本と増えてくると、「全部人に任せるのは重いな…」と感じ始めるラインに入ります。

受電件数が多い場合は、IVRで入口を整理するだけでも体感はかなり変わります。

顧客層

年配の取引先や、電話でのやり取りを重視する業界では、「人が出てくれる安心感」が評価されることも多いです。

逆に、Webやチャットに慣れている顧客が多い場合は、IVRで案内しても違和感なく受け入れられます。

導入スピード

電話代行は、マニュアル作成や対応ルールの共有が必要なため、導入までに多少時間がかかります。

IVRはクラウド型であれば、設定次第で即日使い始めることも可能です。

「今すぐ何とかしたい」という場合は、IVRの方が動きやすいです。

営業電話対策

営業電話対策だけを見るなら、IVRのほうが割り切りやすいケースも多いです。

人が出ない、番号選択が必要、というだけで、営業電話はかなり減ります。

「断る手間」「気まずさ」から解放される点は、現場的には大きなメリットです。

総務が主導する「受電DX」3ステップ

ステップ1:電話の内訳を知る

まずは1週間だけでいいので、どんな電話が、何件あるのかを数えてみます。

取引先からの連絡
社内の取り次ぎ
営業・勧誘
間違い電話

書き出してみると、

思っていたより営業電話が多い
重要な電話は実は少ない

と気づくケースがほとんどです。

この可視化が、すべての出発点になります。

ステップ2:人件費とリスクで考える

「電話対応が減るから楽になる」

という理由だけでは、社内はなかなか動きません。

大事なのは、どれだけ無駄な時間とリスクが減るかという視点です。

集中力が途切れて作業が遅れる
確認不足でミスが起きる
気持ちが切れて余計に疲れる

これらはすべて、目に見えにくいですが、確実に発生しているコストです。

受電DXは「楽をする話」ではなく、損失を減らす話として説明すると、理解されやすくなります。

ステップ3:小さく試す

いきなり全社で導入する必要はありません。

総務直通の番号だけ
営業時間外だけ
特定の問い合わせだけ

など、小さく始めるのが現実的です。

まずは試してみて、「電話が鳴らない状態」を体感すること。

この感覚を一度知ってしまうと、「もう元には戻れない」と感じる人も多いはずです。

まとめ:電話から少し距離を置いた総務へ

電話対応は、長い間「当たり前の仕事」とされてきました。

でも今は、人がやらなくてもいいことを、仕組みに任せられる時代です。

電話対応を減らすことで、

本来やるべき業務に集中できる
社内へのサポートの質が上がる
心に余裕が生まれる

総務の役割は、ただ受け身で対応することではありません。

まずは小さな一歩から。

電話に振り回されない環境を作ることが、結果的に、あなた自身の価値を高めることにもつながります。

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