【地味に嫌】職場で挨拶をしない社員への対策|総務が知っておきたい現場対応の考え方

男性社員に不満を感じる女性社員

職場に挨拶をしない社員がいると、想像以上に空気が重くなります。

こちらから声をかけても返ってこない、そもそも自分から挨拶をしない。

たったそれだけのことなのに、人間関係や業務の進めやすさにじわじわと影響が出てきます。

総務として悩ましいのは、「注意すべきなのか」「放置していいのか」という判断です。

個人に指摘すれば角が立つ。かといって何もしなければ、職場の雰囲気や報連相に支障が出る。

挨拶の問題は、正解が見えにくく、総務が消耗しやすいテーマでもあります。

この記事では、「注意するか・しないか」で悩み続ける前に、職場の環境そのものを見直すヒントとして、ぜひ参考にしてください。

挨拶をしない社員:あなたの職場ではどっちのパターン?

「挨拶をしない社員」と一言でいっても、その行動にはいくつかのパターンがあります。

最初にこの違いを整理しておかないと、対策が噛み合わず、かえってストレスが増えてしまいます。

総務として大切なのは、「なぜ挨拶をしないのか」を性格で決めつけるのではなく、行動の傾向として切り分けることです。

ここでは、現場でよく見かける代表的な2つのパターンと、それぞれに対する現実的な向き合い方を見ていきます。

自分から挨拶をしない社員:声をかけられれば返すタイプ

こちらから挨拶をしない限り、相手も挨拶をしないタイプの社員は少なくありません。

この場合、「挨拶をする気がない」というよりも、

挨拶は自分からするものではない
話しかけられたら返せばいい

という認識で行動しているケースが多いです。

放置すると、周囲が気を遣って声をかけなくなり、徐々に関係性が薄れていきます。

まずは「自分から挨拶をしない人」と理解したうえで、個人の性格を変えようとするのではなく、挨拶が発生しやすい流れを作ることが重要です。

対策:挨拶は体調や変化を知るための「コミュニケーションツール」

挨拶は、単なる礼儀やコミュニケーションのためだけのものではありません。

実際には、「相手の声を聞くこと」で、その日の体調や気分を自然と察知できる便利なツールでもあります。

声のトーンが低い
返事が遅い
いつもより元気がない

こうした小さな変化は、声を交わさなければ気づけません。

大切なのは、挨拶をしない社員に「挨拶しなさい」と強制することではなく、「あなたの声を聞きたい」という目的を伝えることです。

朝の「おはようございます」は、言う内容が決まっているからこそ、考えずに口に出しやすい言葉でもあります。

挨拶そのものは目的ではなく、“相手を知るための手段”です。

この視点で伝えることで、「挨拶は面倒」「意味がない」という意識を和らげることができます。

もちろん、この考え方がすべての社員に通じるわけではありません。

それでも、挨拶に抵抗感がある社員にとっては、一つの納得材料になることがあります。

さらに、この考え方には相手側のメリットもあります。

 挨拶は相手に自分の気分を同時に伝える

もしその日、「人と関わりたくない」「気分が乗らない」状態だったとしても、挨拶をしなければ周囲はそれに気づけません。

結果として、余計な声掛けをされ、かえってストレスが増えることもあります。

逆に、挨拶という”短い気持ちの発信”を先に行うことで「今日は少し静かに過ごしたい」というサインにもなります。

挨拶をすることで、必要以上に話しかけられることを防げる場合もあるのです。

挨拶をすると楽になる
先に発信したほうが得だ

と感じてもらえれば、無理のない習慣化につながります。

挨拶をしても返されない社員:無視されていると感じるケース

こちらが挨拶をしても反応がない、返事が極端に小さいといったケースは、周囲に強いストレスを与えます。

無視されたように感じ、「もう声をかけるのをやめよう」と距離が生まれやすいのがこのタイプです。

本人に悪意がない場合でも、結果として職場の雰囲気を悪くし、コミュニケーションの断絶につながります。

このパターンでは、「挨拶を返さないこと自体」を正そうとするよりも、返しやすい状況を作る工夫が現実的な対応になります。

対策:挨拶の前に相手の名前を入れて返しやすくする

単に「おはようございます」と声をかけるよりも、相手の名前を入れて挨拶することは、非常に効果的です。

「〇〇さん、おはようございます」と呼びかけるだけで、相手は「自分に向けられた挨拶だ」と認識しやすくなります。

この挨拶の仕方は、実はコミュニケーション能力が高く、場の空気を和らげる人が自然に使っている言い回しでもあります。

社員同士よりも、取引先の社長や部長など、対人対応に慣れている人に多い印象です。

名前を呼ばれることで、挨拶は一気に柔らかく、感じの良いものになります。

実際、挨拶の前に名前を入れるようにしただけで、それまで反応が薄かった社員から挨拶が返ってくるようになったケースもありました。

相手を変えようとするのではなく、こちらの投げ方を少し変えるだけ。

それだけで状況が動くこともあります。

挨拶をしない社員を放置するとどうなる?職場への影響

挨拶をしない社員の存在は、一見すると小さな問題に見えがちです。

しかし、特定の人だけが挨拶を返さない、声をかけない状態が続くと、職場の空気は少しずつ歪んでいきます。

最初は「感じが悪いな」という違和感でも、次第に話しかけづらさが広がり、報連相の遅れや情報共有の抜けにつながります。

結果として、人間関係の問題が業務面にまで影響し始め、「仕事がやりにくい職場」という評価を生む原因になります。

だからこそ、挨拶の問題は個人の好き嫌いではなく、職場環境の問題として早めに向き合う必要があります。

人間関係の悪化と業務への支障:報連相やミスの増加

挨拶が交わされない関係性は、想像以上に職場の温度を下げます。

声をかけても反応がない経験が重なると、周囲は必要最低限の関わりしか持たなくなります。

その結果、確認不足や認識のズレが増え、「言った・聞いていない」といったトラブルが起きやすくなります。

人間関係の摩擦は、やがて業務効率の低下やミスの増加として表面化します。

挨拶は感情の問題ではなく、仕事を円滑に進めるための土台であることを、総務は意識しておく必要があります。

挨拶をしない社員に対して総務が取るべき対応

挨拶をしない社員への対応で、総務が最初に考えるべきなのは「個人をどう変えるか」ではありません。

個人への直接的な指摘は、反発や萎縮を生み、かえって状況を悪化させることもあります。

総務の役割は、特定の人を注意することではなく、挨拶が自然に発生する職場の仕組みを作ることです。

会社全体のルールや流れの中に挨拶を組み込み、その結果として個人の意識が少しずつ変わる、そんな環境づくりが現実的な着地点になります。

挨拶が自然に発生する場面を意識的に増やす仕組み化

挨拶を定着させるには、「挨拶をしなさい」と言うよりも、挨拶をしないと進まない場面を増やすことが効果的です。

たとえば、

朝礼ではスケジュール報告の前に必ず「おはようございます」を入れる
すれ違う場面では「お疲れ様です」をかけることを共通ルールにする
終礼や報告時も「〇〇さん、お疲れ様です」と一言添えてから本題に入る

こうした小さな積み重ねが、挨拶を特別な行為ではなく、業務の一部として定着させる近道になります。

改善しない社員への向き合い方:総務が消耗しないための考え方

総務として環境整備や仕組みづくりを行うのは、会社全体のためです。

しかし、その努力をもってしても、個人の性格や価値観が原因で行動が変わらない社員は必ず存在します。

その場合、「相手が変わるかどうかは相手の課題」と明確に割り切りましょう。

挨拶を返してもらおう、分かってもらおうと期待するから、無視されたときに消耗します。

返ってこなくても、

自分は社会人として最低限の役割を果たした
職場環境を守る努力をした

と自己評価するために挨拶を続けるのです。

ここまで整えたうえで改善しない場合は、「それ以上は個人の課題」と線を引くことが、総務自身を守るための現実的な判断になります。

この割り切りを持つことが、長期間、この問題と向き合い続けるための必須のスキルになります。

 挨拶の指導が難しい時代背景とハラスメントリスク

昔は「挨拶ができないなら社会人失格だ」と強く指導する上司が当たり前にいました。

挨拶の習慣がない社員に対しても、ある程度の厳しさをもって教え込む文化があったため、最低限のマナーは職場で矯正できた面があります。

しかし現在は、たとえ社員の成長のためであっても、強めの言い方をすれば「パワハラ」と受け取られるリスクが高く、指導する側に大きな負担がかかります。

その結果、「挨拶ができない=注意されないまま定着してしまう」という構図が生まれがちです。

改善させたい気持ちはあっても、強く言えない時代。

総務としても“踏み込み過ぎない指導”のさじ加減が求められる、難しいテーマになっています。

現場からは不満が上がり、会社からは慎重さを求められる。

その板挟みになるのが、総務という立場です。

参考:挨拶をしない社員の特徴と背景

挨拶はビジネスにおける基本中の基本ですが、それができない社員はどこの職場にも一定数存在します。

「なぜこんな簡単なことができないのか?」と感じるのは当然ですが、背景には本人の性格・環境・考え方が大きく影響しています。

元総務部長として現場の挨拶をしない社員を見ているとさまざまなタイプがいたと思います。

まずは、その特徴と背景を知ることで、ストレスの減り方が大きく変わります。

家庭環境の影響で挨拶が習慣化していないケース

挨拶の習慣は、ほぼ間違いなく家庭環境で決まります。

「おはよう」や「ありがとうございました」が日常の中で当たり前に交わされてきた人は、大人になっても自然とできます。

しかし、家庭で挨拶の習慣がなかった人は、社会人になっても「挨拶をする」という行為そのものに価値を見いだせません。

挨拶しない社員は“本人の悪意”というより“身についていないだけ”というケースが多いと感じます。

求めてもなかなか改善されない理由もここにあります。

社会に出る前に社会と接する経験が少ないケース

学生時にアルバイトを長く続けていた社員は、自然と職場で挨拶の習慣が身につきます。

しかし、学校からアルバイトを禁止されていた、勉学に励み時間がなかった、など社会人になるまでに社会と接する機会が少ない人もいます。

さらに、アルバイトを長く続けると後輩が出来ることもあり、自分自身が見本にならないといけない意識も生まれ、挨拶は「当然するもの」と無意識に認識します。

この過程がない社員は、家族などの身内以外の「他人」に挨拶をする機会がないため、挨拶をする習慣がないまま社会人になってしまうのです。

実際に挨拶をあまりしない社員は、学生時に社会と接していない人が多かったですね。

挨拶の効果に気付いていない・意味がないと感じているケース

挨拶をされて「気持ちが良い」「今日も頑張ろう」と感じるかどうかは、人によって大きく違い、「挨拶しても何も変わらない」「意味がない」と考えているため、挨拶を“コスト”だと感じているのです。

多くの人にとって「おはようございます」という一言は、1日のスタートを前向きにしてくれる大切な習慣ですが、こうした“感覚の差”が、挨拶の重要性に対する意識の違いとして表れます。

挨拶が自然に身についている人ほど、この感覚差に気づきにくいため、理解できずストレスを抱えがちです。

まずは「相手は挨拶の価値を感じられない人なんだ」と理解することが、こちらの心の負担を軽くします。

相手によって挨拶態度を変える社員:人を選ぶタイプ

やっかいなのは「挨拶をするかどうか、相手によって態度を変える社員」です。

上司には挨拶する
取引先には丁寧に挨拶する
同期や特定の社員には挨拶しない

こうした“挨拶格差”をつくる人は、他人を見て態度を変える癖があります。

総務として相談を受けるケースでも「社外ではすごく丁寧なのに、社内では無視する」というタイプが一定数存在します。

社内で態度を変えるのは、単に“自分にメリットがある相手にだけ挨拶している”からです。

人間関係のトラブルを引き起こしやすい傾向があります。

人見知りが原因で挨拶ができないケース

学生時代から人見知りが強く、社会人になっても克服できていないケースもあります。

この場合、本人は「挨拶しない」のではなく、「挨拶できない」状態です。

周囲が敵意を向けるほど、ますます殻に閉じこもってしまうため、解決が難しくなります。

ともともの性格による点が大きいため、本人も「どうしてよいかわからない」と困惑しているケースもあります。

まとめ:挨拶をしない社員の問題は「個人」ではなく「職場環境」で考える

挨拶をしない社員の存在は、単なるマナーの問題ではありません。

放置すれば、人間関係のぎくしゃくや報連相の遅れにつながり、結果として業務にも支障をきたします。

だからこそ総務は、「誰が悪いか」を探すのではなく、職場全体をどう整えるかという視点で向き合う必要があります。

個人を名指しで注意するのではなく、挨拶が自然に生まれる場面や流れを作る。

朝礼や報告の冒頭、すれ違い時の一言など、業務の中に挨拶を組み込むことで、無理なく定着させることができます。

挨拶を変えることが目的ではなく、働きやすい職場を維持することが目的。

その視点を持つことが、総務が挨拶問題に向き合う際の、最も現実的で消耗しない答えです。

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