【また私?】担当が決まっていない業務が集中する人のための属人化&負担回避法

そんな声が聞こえてきそうな…いや、実際によく聞くのが総務の現場です。

仕事の幅が広い総務には、さまざまな依頼が飛び込んできます。

その中には、気づけば特定の人にばかり頼まれてしまう業務も少なくありません。

こうして「いつの間にか属人化」してしまうケースは総務では珍しくないですよね。

本記事では、そんな属人化が起きる前にできる回避法を、現場目線でわかりやすく紹介します。

負担を減らしながら、誰でも対応できる仕組みをつくるヒントにしてください。

業務を終えた「その後」が大事

業務の幅が広い総務のお仕事。

ときには初めて対応するような依頼もありますね。

法改正による新しい規則の導入
社員間のトラブル対応

などイレギュラーな業務や突発的な業務がそれにあたります。

自分で考え調べ、行動し完結する、解消する。こうした取り組みは総務として素晴らしいこと。

しかし、その業務を完了させて満足していませんか?

「やり切った!」のあとに何をするかが、次回以降の負担を大きく左右します。

次も同じ人に依頼がくる

突発的な業務をやり遂げると、周りの社員は無意識にこう思いがちです。

今度もあの人に頼めばいい

その結果、同じような業務が発生すると、また同じ人に依頼が集中します。

これが、いわゆる「属人化」の始まりです。

もしそれが簡単な業務なら、専属的に引き受けても大きな問題にはならないでしょう。

しかし、精神的にきつい業務を必死にやり切ったのに、次回も、その次も同じ人に…となるとどうでしょう?

おそらく、多くの人が「もう勘弁してほしい」と感じるはずです。

一度頼まれた業務が「あなたの担当」として定着してしまった経験、ありませんか?

解決方法、処理方法を伝える重要性

依頼事を終えたらそのままにせず、「どのように解決したか」を形にして共有しておくことがとても重要です。

そもそも、こうした「依頼事」の多くは特定の担当が決まっていません。

依頼がしやすい
対応しやすい性格をしている

といった「感覚」に頼って依頼されることがほとんどです。

そのため、依頼される側は、

なんで自分なの?

と違和感を覚えつつも対応し続けることになりがちです。

これが積み重なると、やがて「つらい」という感情に変わってしまいます。

だからこそ、解決方法や処理方法を簡単にでも伝えておくことで、依頼者本人でも対応できる部分を作っておくことが大事ですね。

事務的な面倒な業務

法改正などの国の方針に従うために社内の規定を変えることもあります。

これらの作業には、

内容の把握
社内への説明
導入と運用

が必要になり、時間と労力が必要になります。

それを、一度対応した人へ毎回依頼してしまうことも現場では良くある話です。

特にマンパワーに制約がある中小企業には「あるある」な話ですね。

現場のリアル:身近に潜む”ちょっと面倒な”属人化

簡単だけれど面倒な業務、たとえば「パソコンやソフトの使い方」は典型例です。

わかりやすいのは「Excelの使い方」。

Excelに詳しい人へ質問して解決すると、次に疑問が出たときもつい同じ人に聞いてしまいます。

こうした習慣が社内で当たり前になると、いつの間にか「Excelのことはあの人に聞こう」と決めつけられてしまいます。

だからこそ、「ExcelのことはこのWebサイトで詳しく紹介されていますよ」など、自分で解決できる方法を伝えておくことが重要です。

社員間のトラブル対応

こんな経験はありませんか?

あの人とよく話をしているから間に入ってトラブルを解決して欲しい
人当たりが良いから仲裁に入って欲しい

その時は対応できても、同じような相談は再度あなたにくることが多いですね。

社員間のトラブル対応は、ときに精神的な負担が大きくなります。

しかも、このようなケースは周囲からは見えにくく、本人がひとりでストレスを抱え込んでしまいがちです。

つまり、周りの何気ない依頼が知らず知らずのうちに本人への負担を膨らませてしまうことも珍しくありません。

だからこそ、対応方法や調整の手順を共有し、属人化を防ぐ仕組みが必要です。

属人化しすぎる弊害:引継ぎの際に時間が足りないリスク

多くの業務を抱えこみ、属人化している業務が増えると、部署異動や退職時などに引継ぎがスムーズにいかなくなるリスクがあります。

引継ぎ期間が限られている場合、引継ぎ作業に時間が取られてしまい、全てを正確に伝えられないケースもありますね。

特に社歴の長い社員では、こうした引継ぎができないリスクを回避するために、早い段階で業務の分散は意識しなければなりません。

業務の引継ぎをする2人の女性社員

【有備無患】社歴10年以上の総務が退職前にしておきたいこと|属人化・引き継ぎ対策のリアル体験

もし突然の異動や転職が決まったら、自分が抱えてきた業務は、誰かにきちんと引き継げるでしょうか?「自分しかわからないこと」が思いのほか多いと、気づくのはそのときか …

共有する情報は慎重に

依頼が多い総務ですが、なんでも情報共有してよいとは限りません。

総務内で処理すべき事案、他部署でも共有できる事案、それぞれの「性質」をきちんと精査することが大事。

なんでもかんでも周りに共有しては、不満の火種になってしまうかもしれません。

情報を共有する際は慎重に選びましょう。

業務効率を重視して情報共有

情報の共有をする際には、まず「効率」を重視することがポイントです。

総務から他部署へ情報を共有すると、総務の仕事が減る一方で、他部署に新たな作業が発生することもあります。

業務を押し付けられた!

と感じさせないように、効率改善のために業務を見直すという視点を共有することが大切です。

また、総務内で情報共有をする際は、経験やスキルも意識する必要があります。

国や市への申請など、ミスが許されない業務は誰でもできるとは限りません。

こうした場合、経験やスキルを持つ社員への属人化は必要なこともあります。

誰が対応しても同じ結果になるものは共有する

依頼される業務の中には、手間がかからず現場で処理した方が早いケースもあります。

例えば、

コピー機の故障時の連絡
社用車の点検予約
オフィス用品の発注

など、業者に連絡するだけのシンプルな作業は、特定の担当者に依存せず、マニュアル化することで総務以外の社員でも対応可能です。

むしろ、総務を経由することで対応が遅れるケースもあるため、できるだけシンプルなフローにすることが重要です。

業務ナレッジを整理・共有するツール

事務的な業務は、処理を行った過程や対応方法をマニュアル化してナレッジツールに集めて共有すると便利です。

情報を蓄積して社員全体で共有することで、誰が対応しても結果の振れが少なくなります。

総務業務の効率化や属人化防止のためにも、積極的に取り組みたい手法です。

代表的なナレッジ管理ツールは以下のようなものがあります。

ナレッジ・ナレッジ化とは?

ナレッジ(Knowledge)とは、個人や組織が持っている知識・経験・ノウハウそのもの

例えば、下記のようなものがあります。

社内規定の作り方を知っている
Excelで効率的に集計する方法を知っている
社員間トラブルの対処経験がある

ナレッジ化とは、そのナレッジを誰でも使える形にまとめること

ナレッジ化したマニュアルなどは管理ツールでまとめることで社内で共有しやすくなります。

ナレッジ管理専用ツール

・ドキュメント作成、データベース、タスク管理を統合
・総務のマニュアルや手順書を整理するのに向く

・大企業向け、Wiki形式でナレッジを構築
・権限設定やバージョン管理がしっかりしている

・社内でよくある質問や手順をカード形式で整理
・Slackなどのチャットと連携して即参照可能

・総務業務の申請や承認フロー、問い合わせ管理などを アプリ形式で構築
・誰が対応しても同じ結果になる業務や、進捗状況の可視化に強い
・ノーコードでカスタマイズでき、マニュアルやFAQもアプリ内で管理可能

ドキュメント共有型

Google ドライブ / Google Docs

・フォルダ分けでマニュアルや手順書を整理
・リアルタイムで共同編集可能

・Office製品と連携しやすく、企業内の情報共有向き

・シンプルに文章やチェックリストをまとめて共有

チャット・コミュニケーション系

・チャンネルやスレッドでナレッジを蓄積
・外部サービスとの連携でFAQやマニュアルを検索しやすく

・SharePointと連携して文書管理
・チーム内のやり取りとナレッジの紐付けがしやすい

その他特徴的なナレッジツール

・ドキュメント+データベース+自動化を統合
・社内の業務フロー管理とナレッジを同時に作れる

Slite(スライト)

・シンプルなWikiツール、マニュアルや議事録の整理に便利

人的な業務の共有

事務的な業務とは違い、社員間のトラブル対応をマニュアル化することが難しいですね。

人間関係のトラブル対応では、以下のような要素が非常に重要になります。

相手の表情や感情
適切な言葉や話し方
発言するタイミング

対応する社員のパーソナルな資質が結果に大きく影響します。

そのため、トラブル対応の方法や情報は、伝え方に工夫が必要です。

解決させるために注意することを共有する

社員間トラブルの解決方法は、状況や関係する社員によって変わります。

そのため、単一の対処方法を作ればよい、というわけではありません。

共有する際は、以下のようなポイントを整理すると分かりやすいです。

お互いの価値観のズレからトラブルが起きているのか?
業務面でのトラブルなのか、パーソナルなトラブルなのか?
どちらかが一方的に攻撃しているのか?

など、状況によって相談先を共有し、「社員間トラブルはあの人に相談」と属人化するのを防ぎやすくなります。

対応方法は状況によって違うため、詳しくは総務が対応するモンスター社員対策をご覧ください。

最後に:属人化を防ぎ、精神的負担を軽減する

総務の仕事は幅広く、突発的な依頼や初めての業務に対応する場面も多いものです。

その際、業務を完結させたあとに「どのように対応したか」を共有することが、属人化防止の第一歩となります。

ポイントを整理すると、以下のようになります。

業務後の情報共有:解決方法や処理手順を簡単でも共有する
事務的業務のマニュアル化:誰が対応しても同じ結果になるものは積極的に共有
人的業務の注意点の共有:状況に応じた観察ポイントや相談先を明確化
効率を意識した範囲設定:業務を移管・共有する際は、「効率改善」の視点を周知

これらを意識することで、業務の属人化を防ぎつつ、精神的な負担も軽減することができます。

総務の現場では、こうした小さな工夫の積み重ねが、結果的に全体の効率向上と社員の働きやすさにつながります。

次によく読まれている関連記事

多忙な総務男性

【区分明瞭】総務が何でも屋にならないために!元総務部長が実践した雑務を押し付けられない工夫と実践術

「また雑用か…」とため息をつく総務のあなたへ。雑務に追われず本来の業務に集中するための工夫を、元総務部長が実務例とともに解説。備品管理のコツやマニュアル化、調整 …

カテゴリー別に総務の現場で役立つ記事をまとめています