【総務は楽そう】と言われてつらい…現場の実態からみる心にジワジワ効く「理不尽」と「心の叫び」

悩む総務女性

総務の仕事は一見、雑務ばかりで「楽そう」「暇そう」と他部署から見られることがありますよね。

しかし、実際に現場で業務にあたる総務側からすると、

雑用が多くてつらい…しんどい…
なぜ私がやならいといけないの…

と感じる場面も少なくありませんよね。

このギャップは、仕事内容の違いというよりも見えにくい仕事、伝わりにくい苦労が原因のひとつかも。

本記事では、総務に20年近く携わった私の視点から「地味に効く」総務のつらさの実態について体験ベースで解説していきます。

未経験者に伝わらない総務の内側

他部署から見ると、総務の仕事は、

ただの雑用
楽そうな事務

に映ることがあるかもしれません。

しかし実際は、表面だけではわからない「内側」に大変さの本質があります。

これは総務に限らず、どんな仕事にも言えることです。

実務に触れて初めて見えてくるものはたくさんあり、総務はその「見えない領域」がとても多い職種ですね。

しかも、仕事の大変さをイチから説明する機会なんて、あまりありませんし、敢えて言うこともないですよね。

だからこそ、「総務って楽でしょ?」という無邪気な言葉にモヤッとしてしまうのです。

ここからは、総務の仕事がなぜ「地味に大変」なのか、その理由に迫っていきたいと思います。

総務の仕事は「地味に」効いてくる

総務の仕事は「体力的にきつい」「高度な専門知識が求められる」という大変さは少ないですね。

しかし…地味だけど心にジワジワ効いてくる、そんな負荷はいっぱいあるのが特徴的です。

ボディーブローのようにジワジワと効いてきて、「また雑用か…」と溜め息をつきながらこなす日々…。

そして、それを表に出さずに「当たり前」として受け止めてしまう。

この「自分の中だけで処理する」ことこそ、総務の仕事が「大変さが伝わらない」理由のひとつなのかもしれません。

ここからは、そんな総務の「心のつぶやき」をいくつかの場面ごとに紹介していきます。

総務がホントは言いたい理不尽と心の叫び

それって私の仕事なの?

総務の仕事は、サポート業務の性質上、雑用を引き受ける機会がよくあります。

しかし、ときには何でもかんでも総務に依頼がくる、いわゆる「何でも屋」的な扱いになってしまうこともありますね。

しかし、それらの依頼のなかには、

それって私の仕事なの?

と感じながら引き受けていることもたくさんあります。

また設備?また備品?

椅子が壊れた
プリンターの調子が悪い
USBが足りない……。

こうした相談があるたびに、まず声がかかるのは総務です。

ちょっとしたことでも、声をかけられるのは総務。

確かに備品や設備の管理は総務の業務範囲です。

しかし、頻度が多すぎると「またか…」と心の中でため息が漏れてしまいます。

特に繁忙期には、自分の本来業務が後回しになることもしばしばです。

また、特定の社員からの要望が多いことも。

準備は全て総務の役目

社内イベントや会議、来客対応など「何かがあるときの準備」はいつも総務の担当。

しかも、すべての準備が整っていて「当たり前」とされているため、感謝されることはあまりありません。

会議の資料、飲み物、名札、席次、案内、備品…。

何かひとつでも足りなければクレームが入る
でも全部そろっていても「何も言われない…」

そんな裏方仕事が総務には多く、評価されにくい分だけ虚しさを感じることもあります。

「何でも屋」になりがちな総務。しかし、本来の業務「会社の調整」も大事な役目。

何でも屋だけにならないための対策についての記事もありますので、ぜひ、見てみてください。

多忙な総務男性

【区分明瞭】総務が何でも屋にならないために!元総務部長が実践した雑務を押し付けられない工夫と実践術

「また雑用か…」とため息をつく総務のあなたへ。雑務に追われず本来の業務に集中するための工夫を、元総務部長が実務例とともに解説。備品管理のコツやマニュアル化、調整 …
新しいことを始めるとき

新規事業やプロジェクトの立ち上げ時には、総務が土台づくりを担うことが多くなります。

拠点の立ち上げなどには、

必要な備品の手配
契約書類の整備
レイアウトの調整

など、目立たないけれど欠かせない業務が山積みです。

しかし「新しい挑戦」は他部署の成果として語られがちで総務の関与はあまり語られません。

準備段階で動いた総務の仕事は「無事に始まって当然」と思われがちですね。

事業規模が拡大しているとき

事業規模の拡大により、社員が増えるたびに、

電話やパソコンの手配と設置
座席や書類保管スペースの確保
レイアウトの見直しやルールの整備

などなど、こうしたインフラ整備は、すべて総務の管轄です。

それなのに、変化の主役は「事業の拡大」であり総務の働きは「変化に対応して当然」とされがち。

派手さはないけれど、企業の成長を支える「見えない苦労」がそこにはあります。

ホントはもっと評価されたい!

頼られることは多いが評価は少ない

「困ったらとりあえず総務へ」。

そんな言葉に象徴されるように、社内の多くの「雑多な困りごと」が集まるのが総務です。

頼られること自体は悪いことではないですが、その多くは気づかれずに終わる仕事ばかり…。

完璧にこなしても評価はされにくく、ミスをすれば目立ってしまう。

そんな不公平さが、総務の仕事のつらさのひとつですね。

日常の業務のなかでも当たり前にできていることへもスポットを当てて感謝の言葉をかけるなど、それだけでもつらさは軽減されるはずです。

そんな評価されにくい総務の仕事にスポットを当てた記事もありますので、ぜひ、見ていってください。

総務の打ち合わせ風景

【評価のギャップ】総務が「評価されない」と言われる本当の理由と評価されるための行動

総務の仕事は目立たず、どれだけ頑張っても「評価されない」と悩む人も多いはず。本記事では、評価されない理由と現実とのギャップを整理し、あなたの頑張りを確実に評価に …

なんで私が怒られなきゃいけないの?

誰かの代わりに良かれと思い対応する。

このような行動は、総務によく見られる光景です。

気遣いのつもりで行動していたにも関わらず、間違えば自分の責任になる…。

これでは、何かに気づいても、

もう下手に動かない方がいいのかも…

と、慎重になってしまうこともありますよね。

裏方で動く総務は気付くことはとても大事です。

しかし、気遣いって、上手く事が進めば全く目に着かないのに間違いはすぐ目に着いてしまいますね。

社内ルールの徹底の指示

社内のルールや規律を徹底させるのも総務の大事な役割です。

こうした意識が強いあまり、その「正しさ」がときに反感を生むこともあります。

もっと融通きかせてよ…
そんな細かいことまで言わなくても…

と言われてしまうことも…。

ルールはあくまで会社全体のためであって、総務が勝手に決めているわけではありません。

それでも、表に立つ総務が矢面に立たされる場面は少なくありません。

たとえ社長や上層部の方針であっても、

「言った人」ではなく「伝えた人」が怒られる

そんな理不尽さも、総務にはつきものです。

設備の不満は総務に

パソコンが遅い…
エアコンが効かない…
プリンターの紙詰まり…など、

設備の不満は、なぜか総務に向けられることが多いもの。

もちろん、設備の管理も業務の一部とはいえ…

それを設置したのも製造したのも総務ではありません

でも、「とりあえず言いやすいところ」に矛先が向くのが常。

文句を言われていないとしても、困っている様子を見るだけで「なんとかしなきゃ」と感じてしまうのが総務の性分。

誰も責めていないつもりでも、総務側は「責任」として受け止めてしまうのです。

応接室のダブルブッキング、怒られるのは総務

応接室がダブルブッキングされていた、そんなときにまず責められるのは、やはり総務です。

実際には使用者側の連絡ミスや予約漏れが原因であることも少なくありません。

でも「管理しているのは総務でしょ?」という視線が向けられてしまう。

ダブルチェックをしていても、複数部署が絡むスケジュール調整はイレギュラーの温床です。

なんで確認してくれなかったの?

と後出しで言われても…すでに起きてしまったトラブルは覆せない。

これもまた、裏方の苦しさを感じる瞬間です。

それって私のせいなの?

総務は「調整役」として、さまざまな部署と関わりますが、そのぶん責任の所在があいまいになりがちです。

ときには、他部署のミスや確認不足まで「総務のせい」にされてしまうことも。

直接関わっていないのに、

あれ、ちゃんと確認してた?
なんで気づかなかったの?

と責められる理不尽さ…

え?私が悪いの!?

何度心の中でツッコミを入れたかわかりません。

現場の不備が「総務のせい」となる空気

「コピーお願い」と資料を渡されたものの、中身が揃っていなかったり、抜けがあったり…。

そんなとき「なんで確認しなかったの?」と、

怒られるのは、なぜかコピーを引き受けた総務のほう…

郵便物も同じで、他の社員が出した書類が料金不足で返送される。

宛先ミスでトラブルになりかける…でも、最終的に「チェックしなかった総務が悪い」という空気に。

資料を催促して嫌われるのは総務

「◯日までに資料を提出してください」と依頼しても、守られないケースは珍しくありません。

提出が遅れればこちらが困るため、確認の連絡を入れるわけですが、それを「うるさい」と感じられてしまうことも。

ルールを守らせるのが仕事とはいえ嫌われ役になってしまうのは、やるせないですね。

こういった連絡は、ときに「なんでそんなに偉そうなの?」と誤解を生むこともあります。

そんなつもりはないのに、なぜ「偉そう」と感じられるのか。

そんな、内容をテーマにした記事もありますので、ぜひ、見ていってください。

手を組んでほほ笑んでいる女性社員

【表裏一体】総務は偉そう?他部署から見る総務の見え方と偉そうと感じてしまう理由

総務と他部署の間には、時に偏見や誤解が生じることがあります。その中で「総務は偉そう」と感じられることも。本記事では、営業(他部署)の双方を経験した私の見解も含め …

それ私に言われても…

明らかに自分の管轄じゃないことまで、なぜか総務に飛んでくる。

相談役のように頼られる一方で、聞くことはできても、結論や解決ができないことがほとんど。

結局、聞かされただけで、モヤモヤは総務が溜め込むことに。

そんな「それ私に言われても…」と感じる場面が多く、表にでない総務のつらさでもあります。

経営者の愚痴聞き

最近の社員は…

…と始まる、社長や役員の愚痴の聞き役になることもしばしば。

問題の核心は別のところにあると分かっていても、うまく相槌を打って、でも反論はできない…。

その場の空気を悪くしないように適切な言葉を見つけようと、頭のなかはフル回転ですね。

そんな会話を無難にこなすスキルも総務の「見えない仕事」です。

社員の愚痴聞き

うちの上司が…
評価がおかしい…

など、社員側の不満もまた総務へ寄せられます。

本音では「それ、私に言われても…」と思っていても、真剣に耳を傾けなければならない。

そしてその場はなんとなく収めても、根本解決はできない…

この繰り返しで心がすり減っていく人も多いでしょう。

板挟みは日常茶飯事

経営者の意向と社員の不満、ルールと現場の実情。

その間で揺れ動きながら、バランスを取り続けるのが総務の仕事。

どちらにも完全に味方できない立場にいるからこそ「どっちからも責められる」ことも良くある話。

常にプレッシャーと葛藤がつきまといます。

もうペシャンコかも…:クッションとしての役割も

総務はクッションのような存在。

衝突を避けるために相手の意見を吸収し、やんわり伝える。

その役割が組織を支えている一方で、自分が潰れてしまいそうになることもあります。

些細な相談の多くは「聞いて欲しい」だけの場合が多いですが、ときには、深刻な相談もあります。

相手に伝えるまでに、「適切な言葉」「相手の心境」「伝えるタイミング」など、見えないところで、事態をうまくまとめる努力もしています。

ここまで、総務の内面、特に人と関わることで苦労する点に触れてきました。

その他にも、総務はストレスを感じるポイントがたくさんあります。

そのようなとき、どんな「心構え」や「仕事への向き合い方」をすれば良いか、そんなテーマの記事もありますので、ぜひ、見てみてください。

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まったくやり方がわからない…

やったことないのに、気づけば「担当」にされているのが総務。

制度や仕組みがどんどん変わっていくなかで、どこから手をつけていいかもわからない業務が舞い込んできます。

仕事の全貌を把握し、やり方もイチから探り探り。そんな、困難に立ち向かう仕事も総務の役目です。

国の新制度や法改正

マイナンバー制度や、個人情報保護法の改正、補助金の申請など、国の新しい制度に最前線で対応するのも総務。

情報収集から対応方針の決定まで、全部「自分で」調べなければなりません。

さらに、やり方や作成物が「合っているのか」はっきりわからないことが、どこか自信を持って進められない要因にもなります。

国への提出書類作成

「とにかく書類がわかりにくい!」のが行政の特徴。フォーマットを探すだけでも一苦労。

記入例も不親切で誤解を招く項目も多く、しかも提出後に不備があると容赦なく差し戻されます。

時間も手間も二重三重にかかる、地味につらい仕事です。

もう少しわかりやすい書類になりませんかね。

銀行・保険など専門用語が多すぎ

新しい保険の手続き、取引銀行との交渉、補助金の口座指定…。

あまりに専門的な単語が飛び交いすぎて「これはいったい何を意味しているの?」と毎回検索しながら進めることに。

総務は専門家じゃないのに、専門家のように振る舞わなければならない場面が多すぎます。

業務の幅が広すぎる弊害

引き継ぎができない仕事が多すぎる

属人化しやすい業務ばかりでマニュアルも整備されていない。

引き継ごうにも言葉だけでは伝えきれない仕事が多く、結果として「自分しかできない仕事」ばかりが増えていくのも総務の悩みです。

特に年1回の業務は前任者が退職や異動をして、しばらく経ってから実務をすることがほとんど。

そのため、マニュアルにない問題は、相談できる人がいないことも大きなストレスですね。

業務の引継ぎをする2人の女性社員

【有備無患】社歴10年以上の総務が退職前にしておきたいこと|属人化・引き継ぎ対策のリアル体験

もし突然の異動や転職が決まったら、自分が抱えてきた業務は、誰かにきちんと引き継げるでしょうか?「自分しかわからないこと」が思いのほか多いと、気づくのはそのときか …

去年のことなんて覚えてないよ…

去年どうだったっけ?
前年のフォーマットある?

という声が飛んでくる季節業務。

総務は年1回の業務が多いため、毎年「初めてやる感」がつきまといます。

しかも、その業務に必要な資料や手順は、きちんと残っていないことも多く、手探りで進めるしかないことも…。

前任者の記憶や、自分の過去メモを頼りに、毎年ゼロから組み立て直す大変さがあります。

忘れた頃に来る「年1業務」

年に1回しかやらない業務は、慣れようにも慣れないもの。

しかも毎年少しずつ制度が変わったり関係者が変わったりで、前年とまったく同じやり方が通用しないケースも。

記録が残っていればまだマシです。ひどい時は、

「去年どうやったか誰も覚えていない」という地獄

自分で探して、自分で組み立てて、自分でやる。それが総務の宿命なのかもしれません。

年末調整

書類の説明、提出の取りまとめ、税務署とのやりとり…。年末の忙しい時期に、社員全員を相手にした個別対応。

お決まりのように、書類が一発で揃うこともほとんどないですね。

ミスがあれば総務の責任になる、プレッシャーも大きい仕事です。

株主総会

形式もルールも複雑なのに、年1回しかやらないため、毎回準備に緊張感が走ります。

法務的な視点も必要で、間違いが許されない仕事のひとつです。

また、想定される質問の回答書の作成には、とても多くの時間と労力を費やします。

外部サービスの更新

「契約更新どうだったっけ?」と聞かれても、担当者が辞めていたり、契約書が見つからなかったり…。

年1回しか触れない外部サービスは、存在そのものを忘れてしまっていることも。

不要なサービスが、自動更新によって契約が継続されていたときの冷や汗はすごいですね。

最後に

総務の仕事は目立ちません。だからこそ、気づかれず、理解されにくい。

けれどその分、会社の「土台」として、いつも誰かのために動いています。

たとえ理不尽だと感じる瞬間があっても、それでも手を止めない総務のみなさんに、この記事が少しでも共感や癒やしになれば嬉しいです。

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